2021年6月21日、シンガポールの競争消費者委員会(CCCS)は、ANAとシンガポール航空の共同事業について7月12日まで意見公募を行うと発表しました。
両社は、2020年1月31日に戦略的包括提携契約を締結しており、既存のコードシェアを拡大しつつ、共同事業開始を目標に、航空法に基づき独占禁止法適用除外(ATI)となる協定の認可申請の準備を進めています。
またアジア・オセアニア地域における航空需要の大きな伸びが期待されていることから、当該地域でのプレゼンス向上や競争力の確保は両社の経営戦略上極めて重要であるとし、この商業協力においては、両社傘下のシルクエア・エアージャパン・ANAウイングスにまで拡大する計画です。
なおこの共同事業においては、実現しても引き続き他社と激しい競争環境に置かれることや、今後新規就航を計画するエアラインにとって参入ハードルも高くないため、競争環境は悪化しないとの見解を両社は示しているほか、重複する8路線のうち乗継便を含む5路線(シンガポール~中部・関西・福岡・小松・富山)においては、変動は最小限に留まるとし、新型コロナウイルスの影響から回復を目指す両国の観光産業にとってプラスに働くとしています。
今後ANAがシンガポール航空との共同事業が実現するとユナイテッド航空(アジア‐北中南米間)、ルフトハンザ航空グループ(日本-欧州間)とのジョイントベンチャーに次いで3番目であり、ANAにとってアジア・オセアニア域内での初めてのジョイントベンチャーとなります。