KLMオランダ航空は、発着制限の回避に向け政府と交渉を開始する見込みであることがわかりました。
これはオランダ政府が、騒音や環境などを考慮した気候政策案としてスキポール空港の発着枠を年間44万回に制限する方向で調整を進めているものとなり、KLMオランダ航空はこの制限回避に向け交渉を開始する見込みです。
これは同社のMarjan Rintel CEOが交渉に意欲を示しているもので、数週間後に政府との会合があることから、少なくとも彼らが耳を傾け、議論することに前向きであることを望むと海外紙に対してコメントしています。
同社は、政府が単に発着制限をかけるのでなく、排出量削減や騒音低減を支援できる他の方法を提案するものとみられています。具体的には、同社が発注している最新鋭機は、大幅に燃費性能や二酸化炭素の排出量が改善されていることや、管制能力の向上による飛行時間の短縮などにより、従来よりも環境に負荷がかからないことを主張するとみられます。
仮に政府がこのままの政策案を進めた場合、同社のスキポール空港発着便は、コロナ前の目安となる2019年の水準を20%ほど下回ることになり、同社は最大30路線が削減対象になる可能性があるとし、アジア線においては関西、台北、厦門、杭州が削減候補になるとしています。
この流れは今後他国へ波及する可能性も指摘されており、既にこのような動きを見越し航空機メーカーも次世代機の開発に取り組んでいる状況となり、先日ボーイングが今後の新機種は完全に新しい技術を採用した航空機を開発するとして、新機種は10年以上先になる見込みであることを明らかにしたことと関係している可能性もあります。Photo : KLM
KLMオランダ航空、政府がスキポール空港に発着制限をかける『グリーンキャップ』を実施した場合は路線を縮小 関西線も削減候補として有力