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オランダ・スキポール空港の発着枠削減を巡る裁判で削減を主導する政府側が逆転勝訴 再び関西線への影響が危惧される事態に

 現地時間7月7日、オランダの高等裁判所は、政府が主導するアムステルダム・スキポール空港の発着枠削減計画が認められる計画であるとの判決を下し、下級審の判決を覆しました。

 この発着枠削減計画は、政府が、騒音や環境などを考慮した気候政策案『グリーンキャップ』としてスキポール空港の発着枠を年間50万回から46万回に制限する方向で調整を進めているものとなり、これまでKLMオランダ航空は、次世代航空機やSAFの導入などにより発着枠の削減を行わずして、騒音やCO2の排出量の問題は解決できるとして、この政策を撤回するよう求めて裁判が行われています。

 第一審のノールトホラント裁判所は、政府はEUのルールに反し、便数の削減を決定する際に正しい手続きを踏んでいないとし、エアライン側の主張を認める判決を下し、事実上エアライン側の勝訴となり、政府はこれを不服とし控訴していました。

 今回高等裁判所は、地域住民の利益を重視すべき問題であるとの認識を示し、政府の政策実行が可能であるとの判決を下し、事実上政府側の勝訴となり、現時点では発着枠が削減される見通しとなりました。

 この判決に対しKLMオランダ航空は『失望している』との声明を発表しており、今後最高裁判所にて争うかが注目されます。この影響により路線削減候補の一つである大阪/関西~アムステルダム線も、再度存続が危ぶまれる事態となっており、今後は最高裁までもつれることが有力であることから、注目が集まります。Photo : KLM

オランダ裁判所、政府によるスキポール空港の発着枠削減計画を認めず エアライン側の勝訴

オランダ政府による環境保護を名目としたスキポール空港の発着枠縮小の決定を受けKLM・デルタ航空など各社が提訴 関西線は削減候補として有力

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