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オランダ裁判所、政府によるスキポール空港の発着枠削減計画を認めず エアライン側の勝訴

 現地時間2023年4月5日、オランダのノールトホラント裁判所は、オランダ政府が推進するスキポール空港の発着枠削減計画を認めない判決を下しました。

 この判決は、先月、KLMオランダ航空・デルタ航空・イージージェットを含む主要航空会社が、スキポール空港がスロット制限を行った場合、オランダ経済と旅行者に損害を与えるとし、政府を相手取った裁判に対するものとなります。

 判事は、政府はEUのルールに反し、便数の削減を決定する際に正しい手続きを踏んでいないとし、エアライン側の主張を認めた形となります。

 これにより、今年11月から年間発着枠を50万回から46万回に移行する計画は阻止された形となり、現時点では今後もこれまで通りの運航が可能となります。

 今回の判決を受け、IATAのWillie Walsh会長は、判決を歓迎するとしながらも、依然としてスロット制限の脅威が存在するとし、今後の政府の出方に警戒感を示しています。またオランダ運輸省は、次のステップを検討中とし、住民の利益や生活環境とオランダにとってのスキポール空港の経済的重要性との間に新たなバランスを見出すよう努力しているとの声明を出し、今後も何らかの形でスロット制限を試みるものとみられています。Photo : Schipol Airport

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