ジェットスタージャパンの一部の乗務員で構成されている労働組合「ジェットスタークルーアソシエーション」は、現在ストライキを実施していますが、会社側と大きな争点となっているポイントを紹介します。
現在各社報道では、未払い賃金が大きな理由としてストライキが実施されていることが伝わっていますが、正確には残業代の算出方法が大きな争点になっているとみられます。
同社においては、便の遅延などにより乗務員の勤務変更(労働開始時間の変更)が行われるケースがありますが、組合側は、その変更時間分も残業代として算出するべきとの立場です。
例として8時から12時までの勤務が予定されていたケースで、便の遅延により12時から16時に勤務変更になった場合、組合側の主張は8時から12時までを残業代、12時から16時までを通常業務時間として取り扱うよう主張しています。
その理由として、当初スケジュールに対して体調管理を含め準備しているにも関わらず、それが会社事由で変更になれば、それは当然残業にあたるとしています。ただ、この算出方法には議論の余地があるともしています。
これに対し会社側は、変更による何かしらの補償の可能性は検討できるものの、そもそも残業代の定義が間違っているとしており、始業前の時間を残業代とすることはできないとの立場で、定時性を確保するために勤務変更はやむを得ないものとの認識とみられます。
この問題は、勤務時間が複雑になる航空会社特有の問題と捉えることもでき、筆者のような第三者の立場として双方の主張を理解できます。両者は、中央労働委員会の調停により解決を目指す予定としており、どのような判断が下されるのか注目となります。Photo : Jetstar Japan