深刻化する世界の航空燃料不足を背景に、フィリピン航空のRichard Nuttall社長は、現在の燃料備蓄および供給見通しが6月末までに迫っていることを明らかにしました。先月シンガポールで開催された「Aviation Festival Asia」でのBloombergなどのインタビューに応じたもので、今後の運航スケジュールに重大な影響を及ぼす可能性があります。
中東情勢の悪化に端を発するサプライチェーンの混乱により、東南アジアの航空各社は軒並み減便や路線再編を余儀なくされています。国内の競合であるセブパシフィック航空がいち早く4月からの運航規模縮小を発表するなか、フィリピン航空はこれまで長距離線を含めて通常運航を維持する姿勢を見せていました。しかし、今回の同社長の発言により、同社の運航継続が事実上の時間との戦いに入っていることが予想されます。
同社長はインタビューのなかで、7月以降の燃料供給については全く見通しが立っていないとし、すでに一部の国において他国籍機に対する往復分の燃料搭載の要求や、事実上の燃料配給が始まっていることに触れ、フィリピン国内においても最終的に同様の厳しい措置を取らざるを得ないとの見方を示しました。
一方で、同社はこうした逆境下においても市場シェアの獲得を狙うしたたかさも見せています。同カンファレンスのパネルディスカッションにおいて同社長は、中東系の航空会社が地政学的リスクから一時的にシェアを落としている現在の状況をチャンスとの見方も示しています。
ただこれらの戦略は、燃料があってこそ成立するものであることから、確保のタイムリミットとされる6月末までの間に安定した調達ルートを再構築できるのか、あるいは夏の繁忙期を前に大幅な減便などの痛みを伴う決断を下すのか、今後の動向が注目されます。Photo : PAL




