ジェットブルーが、競合他社への身売りを含む合併の可能性を模索していることが明らかになりました。
現地ニュースメディアのSemaforの報道によると、同社はすでに外部アドバイザーを起用し、ユナイテッド航空、アラスカ航空、サウスウエスト航空などを売却先の候補として、規制当局の承認を得られるかどうかのシミュレーションを開始しています。この報道を受け、経営再建への期待からジェットブルーの株価は12%以上の急騰を記録しました。
今回の身売り検討の背景には、同社の厳しい財務状況と経営戦略の行き詰まりがあります。ジェットブルーは2024年にスピリット航空の買収を試みましたが、反トラスト法(独占禁止法)違反の懸念から連邦裁判所に差し止められ、計画は頓挫しました。その後も、手厚いサービスを提供するユナイテッドやデルタといった大手航空会社と、価格競争力に優れる超格安航空会社(ULCC)との板挟みになり、苦戦を強いられています。株価は昨年初めから40%以上下落しており、現在はコスト削減と収益性改善を目指す独自の再建「JetForward」を進めている最中でした。
有力な買収候補として最も注目を集めているのがユナイテッド航空です。同社のスコット・カービーCEOは以前からニューヨーク・JFK空港での運航規模の拡大に強い関心を示しており、両社は近年、互いのアプリでの予約やマイル提携などを含むパートナーシップを開始しています。ただし、ユナイテッドによる買収が実現した場合、業界の寡占化を懸念する規制当局から厳しい審査を受けることは避けられません。
その他の候補であるアラスカ航空とサウスウエスト航空についても、それぞれ独自の課題が指摘されています。アラスカ航空は東海岸での基盤拡大という点では理想的な組み合わせですが、ハワイアン航空の買収・統合プロセスを抱えており、新たな大型統合に乗り出す余力があるかは不透明です。一方のサウスウエスト航空は機材の単一化(ボーイング737型機)をビジネスモデルの基本としており、エアバス機を主力とするジェットブルーとの統合には多大なコストと複雑なプロセスが伴うとみられています。
現在のところ、他社との具体的な協議が行われているかは不明であり、あくまで初期段階の検討にとどまっていると報じられています。現在のトランプ政権下では、以前の政権に比べて航空業界の再編に対して寛容な姿勢が見られるとの見方もあり、規制のハードルは下がりつつあるという指摘もあります。ジェットブルーの今後の動向は、米航空業界全体の勢力図を大きく塗り替える可能性を秘めており、今後の展開に注目が集まっています。Photo : Jetblue




