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グアム政府観光局の日本線への補助金、支援内容

グアムと言えばかつて日本人にとって近くて手頃なリゾートとして定着しましたが、近年では日本人観光客は減少傾向にあります。

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同様の傾向はサイパンも同じでかつてJALがB747で運航している時期もあったサイパンからは現在日本への定期便がなくなりましたが北マリアナ政府の支援もあり冬スケジュールよりスカイマークが新規就航する覚書締結を行いました。

グアムに関してはデルタ航空の撤退、ユナイテッド航空の撤退、減便、機材小型化などの影響で今年は提供座席数が大幅に減少するためにグアム政府観光局はチャーター便の誘致などに力をいれていて、今回大雑把ではありますがその支援内容がわかりましたので紹介したいと思います。

今年の旅行会社のグアムのツアーを見てもらうとわかると思いますが、韓国系LCCによるチャーターが多くを占めていることがわかります。
今年は確定で195便、年間で350便の運航が予定されています。

まずなぜ韓国系LCCなのかと言えば多くの方がご存知だと思いますが、以下の点が理由として挙げられます。

  • グアムは短距離リゾートでビジネス需要が少なく客単価が低いためLCC向けの市場
  • ETOPS機(洋上飛行)がなければ飛行できない 現在日本のLCCはETOPSの取得はしていません
  • 韓国系LCCは既に韓国からグアムへの定期便を運航していてチャーター便を運航する上でのハードルが低い

正直日本人の旅行需要を第三国にもっていかれるのは情けないと感じてしまいます。

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さて本題に移りたいと思いますが、グアム政府観光局は日本全体のマーケティング予算で825万$(約9億円)を計上しておりこれを2019年度には900万$(約9.8億)に増額したいとしておりチャーター便に対しての補助金は現在の100万$(約1.1億)から19年度200万$(約2.2億)まで増額したいとしています。正確な補助金適用条件は不明ですがチャーター便を日本~グアム間で企画した代理店に対しては、満席を条件に1席あたり約20$(約2200円)または1便あたり約4000$(約44万円)の補助金を出しているようです。

また既に日本~グアムへ定期便を運航しているエアラインに対しては増便を促す支援を行っていて具体的な内容は不明ですが今夏スケジュールで増便したJALの成田~グアムに関しては約50万$(約5450万円)の補助金により実現したとされています。
また、先日発表された以遠権を利用した関西~グアム線の新規就航を発表したチェジュ航空もJALが利用した補助金へ興味を示しているとしており更なるグアム便の拡充が期待されます。

恐らくチェジュ航空に限らず成田ではなく関空便から就航したことを考えると、日本側が成田からの以遠権を認めていないようにも推測できますので今後は名古屋、福岡あたりでのグアム便開設が期待できるのではと考えています。

北マリアナ政府観光局のChris Concepcion氏は以前に日系LCCがETOPSを取得していない事にも言及していて、『ETOPS取得が航空会社にとって費用が掛かり投資となることからグアム、パラオ、北マリアナ諸島が一体となりアプローチしていくことが大切』というコメントを残していますが、日系LCCがETOPSを取得するしないに関わらず旅行会社からすると韓国勢のチャーター便を使った方がメリットがありそうなので暫く首都圏空港からは定期便でのグアム便が就航しないであろうと予想しています。唯一可能性があるとすれば、スカイマークがサイパン線が軌道にのればグアム便の開設も期待できるかもしれないですね。

個人的にはいつでも気軽に国内旅行感覚で予約できる旅行先としてLCCには頑張ってもらいたいと思っていますが、あまりにも日系LCCが情けないので今後も韓国系LCCは日本へ押し寄せてくるかと思います。

参考資料:GUAM daily post

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