大韓航空のウ・ギホン代表取締役社長は、同社の今後について海外紙のインタビューに応じ、アシアナ航空と統合した際は、ブランドを統一しA380の運用を見直すなど、今後について語っています。
現在大韓航空は、アシアナ航空を買収する手続きを進めており、順調に行けば2021年後半にも買収が完了するとみられています。
まず国際線の重複路線に関しては、スケジュール調整や投入機材を変更することでスロットを維持するとしており、これにより競争力が増し、より多くのトランジット客を獲得できるとの見解を示しています。またブランドは大韓航空に統一するとし、アライアンスに関しては、まだ議論に時間を要するとして明言を避けています。
今後両社は統合することにより大型機材となるA380型機は、大韓航空が保有する10機とアシアナ航空が保有する6機の計16機になり、エミレーツ航空に次ぐ保有機数となる見込みとなっています。これに関しては、A380全体の運用を見直し、投入路線も見直すとしましたが、退役等については言及しませんでした。
また人材に関しては、削減を予定していないとし傘下のLCCも統一ブランドとする予定としています。そして現在同社の業績に大きく貢献している貨物特需は、定期旅客便の運航が回復するにつれ減少するとの見解を示したほか、統合後も積極的な国際路線展開を図るとし、この統合によりアジアをはじめとした各国エアラインの買収を促進させることになるだろうとしています。
先日ソウル地裁は、大韓航空の既存株主であるPEファンドのKCGIによる、一連の買収を阻止すべく第三者割当有償増資の差し止めを求める仮処分を棄却しており、買収に向けて一歩前進しています。今後は韓国の公正取引委員会の承認が大きな山場になるとみられていますが、これを乗り越え買収が成立すると、メガエアラインが誕生することになり、東南アジア~北米間のトランジット客の獲得競争などでは、日本のエアラインにも影響を与えることが予想されます。
参考記事:aero telegraph Photo : Airbus