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千葉県、成田空港の航空貨物の東アジアの拠点化に向け周辺地域を国家戦略特区にする事を内閣府に提案

千葉県は、成田空港を航空貨物の東アジアの拠点にするため空港周辺地域を国家戦略特区とすることを、2021年1月15日に内閣府に提案しました。

今回の提案の目的は、成田空港は、豊富なネットワークを持ち、国際航空貨物取扱量も全国1位の国際物流拠点であることが大きな強みであることから、国家戦略特区を活用して更なる機能強化の効果を最大化し、成田空港を旅客のみならず航空貨物の東アジアの拠点とすることで、日本の国際競争力の強化に繋げるものとしています。

今後成田はアジア競合空港と大きく差をつけられる見通しであり、国際競争力の維持のためには、機能強化の効果を最大限発揮することが“最低限の条件”となるとしています。

Photo : 千葉県

今後第3滑走路の新設などの成田空港機能強化により、旅客(4,000万人⇒7,500万人)や貨物(200万トン⇒300万トン)、空港内従業員(4万人⇒7万人)が大幅に増加することが見込まれており、その効果を取り込む地域づくりを通じて、エリア人口(38万人⇒42万人)の増加を目標としており、そのため、空港内の機能強化のみならず、空港周辺の受入環境の整備が必要になるとしています。

そして2032年の成田空港の姿は、立地など多数の類似性があることから仁川空港がそのベンチマークとなるとしており、仁川空港は、国主導で規制緩和・税制優遇・空港周辺一体開発による「仁川空港圏」を実現していることから、同規模の投資が必要であると指摘しています。



Photo : 千葉県

提案された内容は、大きく分けて4つとなり、詳細は以下の通りです。

【地利用の弾力化による事業用地等の確保 】
農振法や農地法により土地利用の転換が困難な農地が広がっているため、物流施設等の立地が進まないことから、成田空港周辺9市町のICや空港ゲート等、交通の要衝周辺では、土地利用規制を緩和し、物流施設等の整備を促進させる

【外国人材の活用 】
地域の人口は減少傾向にあり、航空貨物を中心とした物流業界では、既に人手不足が顕在化していることから、在留資格「特定技能」に新たに倉庫業を位置づけ、外国人材の活用を促進させる

【公共交通の充実 】
成田空港周辺では、自家用車による通勤が中心で、交通渋滞等の原因にもなっていることから、マルチテナント型物流施設によるテナント従業員等の合理的な送迎を促進させる

【農業の振興 】
農業の生産力の強化等に資する、スマート農業の技術開発などを行う施設でも、設置には土地利用の制限がかかることから、地要件を緩和し、農業分野の研究開発施設の設置を促進させる

このような提案を実現し、国家的プロジェクトである空港機能強化の効果を発現し、足下、空港周辺開発の自由度を高め、エリア活用の最適化を実現するため、土地利用と空港を支える人材の弾力化を実現するとともに、国家戦略特区のエリアを空港周辺9市町に拡大したいとしています。

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