大手リース会社のアイルランドのエアキャップは、ロシアがリース機の返却を拒んだ影響を受け、加入している保険会社に対して約35億ドル(約4,260億円)を請求したことがわかりました。
これは同社のPeter Juhas CFOが明らかにしたもので、ロシアの航空会社に対して135機の機体と14基のエンジンをリースしていたものの、現在までに回収できたのは22機と3基のエンジンに留まるとし、既にこの損害を保険会社に請求する手続きを開始したことを投資家向けに公表しています。
また同社のAengus Kelly CEOは、『我々は、ロシア航空会社にリースしている資産に関して、保険に基づくすべての請求と、我々が利用できる他のすべての法的救済を精力的に追求するつもりである』と述べ、今回のロシアの違法行為が保険の戦争リスクの補償範囲であるとし、今後対立することが予想される保険会社と争う姿勢を示しています。
またエアリースコーポレーションも同様の措置をとる構えを見せており、今後リース会社と保険会社の間で、今回のロシアの行為が保険の適用であるか否かを法廷で争うことになります。
なお一部航空会社は水面下で返却する意向があるとみられていますが、今回の決定は政府主導であることから、独自の判断でリース機の返却は行なえないものと推測されています。Photo : Aeroflot