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国交省、日本貨物航空/NCAに対して不適切な整備作業の実施で厳重注意

 国土交通省は、日本貨物航空/NCAにおいて、整備士に不適切な行為が認められたことから、2022年12月23日付けで厳重注意を行い、必要な再発防止策を検討の上、令和5年1月16日までに報告するよう指示したことを明らかにしました。

 この事案は、令和4年9月23日、NCA所属の運航乗務員より、「ボーイング式747-8F型機(JA12KZ)の第4エンジンの逆推力装置操作レバーが最大出力位置にならない」旨の報告を受け、同社が実施した不具合探求において、第4エンジン推力操作レバーのカバーを取り付けるネジ(1本)に航空機及び装備品等の設計製造者による技術基準に基づかない部品(異なる部品番号のネジ)が装着され、当該ネジの長さが正規のネジより長く、その先端が逆推力装置操作レバーの内部機構と接触し、最大出力位置まで引き上げられないことが判明し、同月28日に同社より航空局へ報告がおこなわれたものとなります。

 また、その後の調査の結果、同年8月30日、同社所属の確認主任者により、逆推力装置の不具合探求と関係のない、他の修復作業(前脚格納庫内の照明固定用ネジ交換)を実施するために払い出させたネジを推力操作レバーのカバーに装着したこと及び当該他の修復作業を実施していないにも関わらず、同社所属の認定作業者に整備記録を作成させたことが追加で判明しました。

 これらの行為は、航空法に基づき認可を受けた同社の整備規程及び業務規程(整備の実施方法、整備の記録及び報告)に違反するものであったことから、国交省は厳重注意を行っています。

 また同社においては、平成30年に不適切な整備作業が発生し、事業改善命令等の処分を受け、是正措置の取り組みを実施してきたにもかかわらず本事態を発生させたことは、社員に対する安全意識の徹底、コンプライアンス教育の実施及びその遵守の意識付けが未だ不足しており、社内安全管理体制が不十分であったと言わざるを得ないと同省は指摘しています。Photo : Boeing

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