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EU当局、大韓航空とアシアナ航空の統合審査期間を延長

 EU当局は、大韓航空とアシアナ航空の統合審査期間を延長したことがわかりました。EU当局は2023年7月5日を審査期限としていましたが、これを延長して新たな期限日を2023年8月3日に設定しています。

 今回の審査期間の延長は、統合による競争環境悪化を是正する大韓航空のスロットなどの計画を精査するためとみられており、今後承認に至るのか注目されています。

 EU当局は、韓国とEU加盟国を結ぶ路線の旅客・貨物市場の両方で競争上の懸念があると判断し、この合併について「詳細な調査」を開始すると2月に発表しており、以下の3つの懸念事項を指摘しています。

◇韓国とEUを結ぶ4つの路線(フランクフルト・ローマ・パリ・バルセロナ)において、旅客輸送サービスの提供における競争低下の可能性
◇韓国とEU諸国間の旅客輸送サービスにおける競争排除の可能性
◇EU~韓国間の貨物輸送サービスにおける競争低下の可能性

 現在同社は、この問題を解消するためにEUの航空会社が韓国への新規就航、あるいは増便を行えるよう、スロットの放棄などを含めた解決策を提案しているとみられており、今後この計画が承認されるのかが焦点となります。

 なお先日発表されたイギリスにおける審査においては、ヴァージンアトランティック航空にヒースロー空港のスロットを提供することで、条件付き認可を受けています。

 現在残る必須審査機関は、EU・アメリカ・日本の3機関となり、大方の予想では各機関共に条件付き承認となることが有力とみられており、日本においても羽田空港のスロット問題などもあり、どのように各機関が審査していくのか注目されています。Photo : Korean Air

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