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大韓航空によるアシアナ航空の買収が白紙化の可能性も EUの審査において懸念材料

 大韓航空は、アシアナ航空との統合に向け各国の競争当局へ統合審査申請を行っていますが、今後EU当局が承認しない可能性があり、買収自体白紙化になる可能性があるとの見方も出てきています。

 これは、統合審査が進められていた造船業の現代重工業グループによる大宇造船海洋の買収に関して、EU当局が今月に入り不認可としたことが影響しており、審査に通過する見込みであったものが不認可となり、EU当局がここ数年で統合審査において厳しい審査を行う傾向にあることから、大韓航空とアシアナ航空の統合においても楽観視できないとの見方が強まっています。

 これまでにEU当局は、競争環境の歪みを理由にブリティッシュエアウェイズなどのIAGによるエアヨーロッパの買収、エアカナダによるエアトランザットの買収を認めなかった例もあることから、同様の理由で不認可とする可能性が指摘されています。

 このような事例があることから、大韓航空はEU当局に対し、欧州路線の重複路線は4路線(パリ・ローマ・フランクフルト・バルセロナ)しかなく利用者への影響は限定的であるとの追加説明資料を提出したとみられており、今後EUがどのような判断を下すのか注目されています。

 また韓国の公正取引委員会は、スロットの返却などを条件として統合を2月上旬にも承認する方針とみられ、最大の山場はEUの審査となり、仮に承認を得たとしても厳しい条件付きとなる可能性も指摘されています。Photo : Korean Air

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