ユナイテッド航空は、羽田空港のスロットをめぐるデルタ航空案において不支持を表明しました。
この案は、羽田空港の発着枠拡大で2019年に配分されたスロットにおいて、アメリカ運輸省(DOT)が指定するアメリカの都市ではなく、需要に応じて他アメリカ都市への路線に変更できるよう、最大2スロットを3年間の試験運用により変更できるよう求めているものとなります。
現在までにアメリカン航空がこの案を支持することを表明していますが、ユナイテッド航空は、デルタ航空とアメリカン航空を名指しで以下のように批判し、この案を不支持するとしています。
『日本市場は回復に向っており、羽田空港のような制限がある空港への路線においては、航空会社の財務実績ではなく、これまで通り、消費者、地域社会、荷主のためにあるべきものである。
羽田発着枠の最大限の利益を確保するための最適なアメリカの都市を最終的に決定するのは航空局であり、消費者の利益よりも自社の利益を優先しているように見えるデルタ航空やアメリカン航空ではありません。
周知の通り、羽田スロットは、数年にわたる日米の代表団による長く困難な交渉の成果です。現在両国間を運航する6社とその就航都市のコミュニティは、これらの手続きにおいて協力し、消費者の利益のためにスロットを確保し運用するために、多大な時間、資金、資源を投入しました。
デルタ航空とアメリカン航空は今、規制当局、航空会社、都市による事前の努力と投資をすべて無視し、代わりに自分たちの判断が政府規制当局の判断に代わるものとして適切であると提案し、航空局に求めています。これは公共の利益に反することです。』
このようなことから、ユナイテッド航空は、デルタ航空が運航を行わないのであれば、そのスロットは再配分するべきとし、2019年に路線申請し、DOTに却下されたヒューストン線とグアム線の運航準備があることを表明しています。
現在までにDOTはデルタ案について公式な声明を出しておらず、今後この問題がどのように決着するのか注目となります。
