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カンタス航空が新機内安全ビデオを公開も批判が続出 「奇跡の脱出」を成功させたJALのビデオが再注目される事態に

 カンタス航空は、新機内ビデオを公開しましたが、多方面から批判を受ける事態となっています。

 同社は、2020年から採用している機内安全ビデオの更新を行い、今回新たな機内安全ビデオを公開しましたが、一般利用者や客室乗務員組合などが安全を軽視した内容であると批判する事態となっています。

 この機内安全ビデオでは、同社の就航地を巡るストーリーの中で安全情報を紹介するような形で、近年各社が採用しているエンターテイメントに傾いた内容となっていますが、客室乗務員組合などからは、マーケティングツール化しており安全ビデオとしては失敗だと指摘しています。

 実際にこのビデオ内では、避難の際に機内持ち込み手荷物を持ち込まないことの重要性について触れていません。

 今回批判が続出しているのは、先日発生した羽田空港でのJAL機と海保機の衝突事故の影響もあるとみられ、この事故により機内安全ビデオの重要性が再認識された影響もあるとみられています。なおこの事故ではオーストラリア人の乗客も搭乗していたことから、現地では重大ニュースとして取り扱われました。

 そして今回SNS上で比較対象とされているのが、奇跡の脱出と称えられた日本航空の安全ビデオとなり、実際にJALの安全ビデオでは、禁止事項に対して的確な理由が説明されていることから、安全認識に差があるとの意見も出ています。

 近年は、日本のエアラインをはじめとして機内安全ビデオはユーモアを含めたものが採用される傾向にありましたが、今後は見直すエアラインも出てくることが予想されます。

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