ユナイテッド航空は、2024年10月に2017年以来となる成田空港発着の以遠路線となる東京/成田~セブ線に就航する予定ですが、今後の同社の動きは非常に注目に値するものとなりそうです。
今回のセブ線の開設の背景には、パンデミック後のグアム発着路線の低迷により、余剰となったリソースを以遠権を行使して成田発着路線で穴埋めするものとなりますが、この戦略においては、同社の決定において注目したいポイントがあります。
現在ユナイテッド航空においては、B737MAXの品質問題などにより機材不足が深刻な問題の一つとなっていますが、今回グアム線の低迷において、余剰機材を本土に配備しない決定を行ったことは、注目したいポイントの一つとなり、このような状況下においてもセブ線を開設することは、同社が単の穴埋めのための路線展開ではなく、今後成田発着路線が成長市場となる可能性を真剣に考えている可能性があります。
現に同社のネットワーク管理責任者のPatrick Quayle氏は、アメリカから直行便が存在しない興味深いアジアの就航地があるとし、今後B737型機のキャパシティで需要を満たせるようなアジア路線を成田空港から拡大することを検討していることを明らかしており、今後路線の拡大が期待されています。なお同氏はワイドボディ機による以遠路線の運航は否定しています。
既報の通り、今後同社は福岡~グアム線が運休するほか、他日本~グアム路線においても減便の可能性があることがわかっており、余剰となった機材を用いてどのような路線を成田空港から就航していくのか注目となります。
羽田空港の発着枠拡大に伴いアメリカ各社が事実上放棄した成田空港以遠路線ですが、数年の時を経てユナイテッド航空が再検討したことは意外ですが、今後どのような結果をもたらすのか注目となります。Photo : United Airlines