オーストラリアのカンタス航空が計画する超長距離直行便計画「プロジェクト・サンライズ」を実現させるA350-1000ULR(超長距離型)の初号機が、フランス・トゥールーズにあるエアバスの最終組立工場からロールアウトしました。
2026年4月12日に姿を現したこの初号機「F-WZNK」(製造番号:MSN 707)は、主翼や胴体、ランディングギアの組み上げは完了しており、専用のロールス・ロイス製トレントXWB-97エンジンも既に装着された状態となっています。今後は各種地上試験を経たのち、約2ヶ月間にわたる飛行試験プログラムが実施され、今年末までにカンタス航空へと引き渡される予定です。





カンタス航空が推進する「プロジェクト・サンライズ」は、オーストラリア東海岸のシドニーからロンドンおよびニューヨークを直行便で結ぶ、民間航空界における新たな挑戦です。最大22時間におよぶ世界最長路線のフライトを実現するため、このA350-1000ULRには機体後部に追加で2万リットルの燃料タンクが搭載されています。これにより、従来の経由便と比較して最大4時間ほどの所要時間短縮が見込まれています。
超長距離飛行における乗客の快適性を極限まで追求するため、同機の総座席数は標準的なA350型機の約350席から大幅に絞り込まれ、わずか238席というゆとりある仕様となっています。キャビンの多くをファーストクラス、ビジネスクラス、プレミアムエコノミークラスなどのプレミアムシートが占めるほか、機内には乗客がストレッチや軽い運動を行える専用の共有スペース「ウェルビーイングゾーン」が設けられています。時差ぼけを軽減するために計算されたLED照明や高速Wi-Fiも完備され、これまでにない機内環境が提供されます。
今回ロールアウトした初号機は、カンタス航空への納入後、乗員の慣熟訓練を目的とした短距離線での運航に投入される見込みです。その後、最終的な準備を整え、2027年初頭にも予定されているプロジェクト・サンライズの歴史的な商業運航開始に向けた第一歩を踏み出すことになります。Photo : Qantas Airways




