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中国の国産旅客機が開発凍結の危機 アメリカ政府がCOMACをブラックリストに追加

アメリカのトランプ政権は1月14日、安全保障上の懸念を理由に、中国のCOMAC(中国商用飛機有限責任公司)をブラックリストに追加したことを発表しました。

これによりアメリカの投資家は、現時点で2021年11月までに同企業への投資を取り止める必要があり、COMACは投資を受けることができなくなります。今回アメリカ企業との取引に制限がかかり輸入できなくなる『軍事エンドユーザーリスト*』に同社は含まれませんでしたが一歩近づいた形となり、今後追加されるようなことがあると、同社が開発するC919の開発は一時凍結となる可能性があります。*米国製品(物品・ソフトウエア・技術)を軍事転用する恐れがある外国事業体


Photo : Aerotime

C919のサプライヤーは、アメリカ企業が約6割を占めていることから、これらの企業との取引に制限がかかると、C919に必要な部品・システム・計器などを輸入できなくなり生産が困難になると予想されています。なおC919は、ボーイングのB737、エアバスのA320に競合する機種となり、中国政府の一大航空機メーカーを築くという目標の実現を背負う機材となります。

このような事態を避けるため中国政府は、世界的に運航再開がはじまったB737MAXの認可を交渉カードにするとみられており、今後の両政府の動きに注目が集まります。

当初トランプ政権は、12月に発表したブラックリストをもってバイデン政権に引き継ぐとみられていましたが、実際には一方踏み込んだ形でバイデン政権にバトンを渡します。今後バイデン政権がこのリストを継続するかは不透明ですが、現時点では、今後COMACはC919の開発凍結となる可能性が残された状態となります。なお航空関連ではありませんが、近年日本でも勢力を拡大しているスマホメーカーのシャオミも同じタイミングでリストに追加されています。Photo:COMAC

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