オーストラリアの保健省のBrendan Murphy 長官は、2021年も完全な国境の再開は難しい見通しであることを明らかにしました。
医師であり、オーストラリア政府の新型コロナウイルの意思決定チームの重要人物として知られる同長官は、同国のテレビ局のインタビューにおいて、予定通りワクチンの接種が進んだ場合、完全に国境を再開させるかについて問われ『今年は国境制限が敷かれたままになると考えており、難しいと思います。多くの人々が予防接種を受けたとしても、それがウイルスの感染を防ぐかどうかはわかりません』と答えました。
現在オーストラリア政府は、当初計画よりも早い2月下旬から接種を開始し、10月までに全国民の接種を終える計画としていますが、同政府は、ワクチン接種が多くの国民に行き渡っても、国境の完全な再開は急がないものとみられています。
またカンタス航空が7月からの国際線の航空券の販売を開始したことに同政府は不快感を示しましたが、その後カンタス航空CEOは、実際には7月以降になる可能性にも言及し、国際線の再開は政府の判断に依存すると発言しています。
先日には、出発前に陰性が確認されたはずの全豪オープンの関係者1,200名のうち9名から新型コロナウイルスが確認されたことを受け、多くの批判を受けながらもオーストラリア政府は多くの選手を含め隔離措置を行うなど、検疫体制に重点を置き慎重姿勢になっていることから、完全な国境再開は当面望めないものとみられています。参考記事:The West Australian Photo : Brisbane Airport