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三菱重工、生産を終了した旧ボンバルディアのCRJ事業の再開を検討か スペースジェットに多大な影響も

 三菱重工は、生産を終了した旧ボンバルディアのCRJ事業の再開を検討していることがわかりました。

 これはLEEHAMが報じたもので、複数の情報筋によりこの動きが明らかになったとしており、CRJ700の生産が再開され、アメリカのスカイウエスト航空が潜在的な顧客である可能性を指摘しています。

 三菱重工は、2019年6月に現金5億5,000万米ドル(590億円)の支払いと約2億米ドルの債務を引き受けてCRJ事業を買収し、受注残を解消後に同事業においてCRJの生産を終了していますが、今回再開を検討している理由は、スペースジェットの開発に事実上失敗したことで、カナダですでに認証を受けている航空機を、低コストで生産することができるほか、買収したCRJビジネスのもう一方の柱であるアフターマーケットサービスにも繋がることが理由とみられています。

 CRJの生産終了後、三菱重工は同施設の大部分をエアバス・カナダ社に引き渡しおり、現在はA220の組み立てラインとなっています。そのため、CRJ事業を再開するには、新工場の建設が必要となり、場合によってはカナダ政府の支援を受けることも想定しているとみられ、生産はカナダで行うことが予定されている模様です。

 これまでに正式な発表はありませんが、今後上記のようになった場合は、正式に開発中止となっていないスペースジェットにも大きな影響があるとみられます。

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