A350型機の塗装劣化問題にめぐり、カタール航空とエアバスの対立が激化しています。
この問題は、カタール航空が保有するA350型機において塗装の下地が早期劣化し、カタール航空側は耐空性の安全が保証できないとの立場で、エアバス側は耐空性に問題はないとして、カタール航空がオーダー済みのA350型機の受領を拒否し対立している問題となります。
エアバスは『不正確な発言を継続することは容認できない』としてこの問題の解決には、法的措置が必要として、イギリスの裁判所で手続きを開始しています。
この動きに対してカタール航空CEOは、『エアバスは利益の事しか考えていない。二度と取引しない』などと怒りに満ちたコメントをしており、今回カタール航空側もイギリスにて法的措置に移行することを明らかにし、以下の声明を発表しています。
『カタール航空は現在、この塗装問題により21機のA350航空機の運航を停止しています。エアバスがこれ以上遅れることなく我々の正当な懸念に対処することを確実にするために、法的手続きを開始しました。我々は、エアバスがこの問題の徹底的な調査を行い、その完全な根本原因を特定する必要があると強く信じています。劣化の根本原因を正しく理解することなしに、カタール航空は、提案されている修理ソリューションが根本的な劣化を改善するものかどうかを確定することはできません。カタール航空は、お客様および乗務員の安全を第一に考えています。』
イギリス政府も介入して調停を申し出ましたが、両社の対立は激しさを増していることから、同政府の申し出も虚しく、この問題は裁判で決着することになりそうです。ただここまで関係が悪化した中で、今後問題が決着した際に再び良好な関係を築けるかは不透明となっています。Photo : Qatar Airways