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【注目】エアバス『もう容認できない』カタール航空が主張する塗装問題に対して法的措置を実施へ

 エアバスは、カタール航空が連日不満を述べているA350型機の塗装問題に関して法的措置を実施するための準備を進めていることを明らかにしました。

 この問題は、カタール航空が保有する一部のA350型機において、塗装の下地が早期劣化する問題が発見され耐空性の安全を確保できない可能性があるとし、一部機材の運航を停止し、同社CEOがエアバスは非を認めるべきなどと不満を述べている問題となります。

 当初この問題は、カタール航空機のみに起きている事象と思われましたが、その後他社でも同様の問題が起きていたことが明らかになり、EASA(欧州航空安全局)も予備的な警告を発出するなどして日に日に注目度の高い問題となっていました。なおEASAは、予備的な警告は発出したものの、エアバス同様に耐空性に問題はないとしており、カタール航空以外は運航を続けています。

 今回エアバスは、特定のエアラインの名前は伏せたものの、顧客の1社が誤った表現をしていることから、この問題を解決するための方法として、法的措置を実施することが必要になったとし、暗にカタール航空が該当エアラインであることを示し以下のように大きな不満を表明しています。

『安全はエアバス社の最優先事項です。今回の塗装劣化に関する問題は、徹底的に調査を行い、EASAによって耐空性に影響がないことが確認されています。この顧客が、この問題を耐空性の問題として誤魔化そうとしていることは、安全問題に関する国際的なプロトコルを脅かすものです。

我々は、このような道を歩む必要があったことを残念に思いますが、自社の立場と評判を守るために必要になりました。また塗装劣化による航空機への影響や不便を最小限に抑えるために、顧客と積極的に協力してきたものの、これらの解決策はすべて、上記の顧客によって正当な理由なく却下されました。これと並行して、この問題に関して顧客との建設的な対話を再開するために努力していますが、この種の不正確な発言を継続することは容認できません。』

 現在エアバスとカタール航空は、互いに強い不満を示し大きく対立した状態となっており、今後どのような決着を迎えるのか注目となるのと同時に、歯に衣着せぬ発言で注目を集めるカタール航空のAkbar Al Baker CEOが、今回のエアバスの措置に対してどのような反応を示すのかも注目となります。

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