現地時間2022年4月13日、A321XLRの初号機がエンジンを搭載したことがエアバスのハンブルクの工場で確認されています。
この機体は、2022年から始まる飛行試験と型式証明プログラムに使用される予定で、計3機の試作機のうちの最初の機体となります。今後は数か月内に地上試験を経て飛行試験に移行するものとみられており、2023年の量産に向けて準備を加速させます。
the first #A321xlr from #Airbus extra long range now with engines on the place #Hamburg MSN11000@ikarosairline pic.twitter.com/3jUH3sYHX9
— Tobi (@Tobias_Gudat) April 12, 2022
A321XLR(Xtra-Long Range)は、既存のA321LRの航続距離を更に延長したモデルとなり、航続距離は8,700kmを誇ることになる予定です。この航続距離はナローボディ機で世界最長となりますが、これを実現するためにA321XLRでは主脚後部に位置するRCTの容量を増大させる計画としています。
このRCTにより最大12,900リットルの燃料を追加でき、搭載可能総量は約40,000リットルとなることから上記の航続距離を実現します。しかしながら客室部の直下に大量の燃料を搭載することになることから、耐火や乗客の安全性の確保において新たな基準が審査当局から課されるとみられています。
同型機は開発決定以降、継続的に新規受注を獲得しており、今まで大型機では採算ラインに乗らなかったような都市間の新路線開設などが期待されることから、今後もFSC・LCCなどからの新規受注が見込まれており、市場のゲームチェンジャーになることが確実視されています。
しかしながらナローボディ機ならではの、客室空間の圧迫感が乗客にとって快適かどうかは賛否両論があり、カタール航空は、快適性を重視し、この航空機は導入しないとしています。Photo : @Tobias_Gudat