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エアバス、最後のA380型機をエミレーツ航空に納入しA380の生産プログラムが完了

 現地時間2021年12月16日、エアバスは最後のA380型機(MSN272/A6-EVS)をエミレーツ航空に納入し、A380の生産プログラムが完了したことを発表しました。

 この機体は、エミレーツ航空にとって123機目のA380の受領となり、機内は同社が導入を進めるプレミアムエコノミーを配置しており、今後同社は計52機のA380型機に同クラスの座席を改修して配置する予定です。

 今回の納入に伴いエアバスのGuillaume Faury CEOは『A380は、運航と旅行体験に関して新しい基準を設定することにより、数多くの乗客の生活に影響を与えてきました。エミレーツ航空は、世界中の乗客がA380のユニークな機能を体験できるようにする新しいサービスや製品を継続的に導入しており、今後数十年にわたってそうし続けると確信しています。』と述べています。

 2007年4月27日にフランスのトゥールーズで初飛行を成功させたA380ですが、商用便就航後約14年で開発プログラムが終了することになります。開発段階では、1,000件以上の受注を見込んでいましたが、実際にはそれに程遠い251機で製造を終える事となりました。同型機の2013年以降の新規受注は、エミレーツ航空の22機とANAの3機のみとなり、採算ラインを超える新規受注を得られることができず、A380neoの構想も取り止めとなり、2019年2月に生産中止が発表されています。

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