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国交省、スカイマークに対し整備士による不適切な行為が認められたとして業務改善勧告 酒気帯び状態で整備しアルコール検査結果を捏造

 国土交通省は、スカイマークに対し整備士による不適切な行為が認められたとして業務改善勧告を行い、必要な再発防止策を検討の上、2月24日までに報告するよう指示したことを発表しました。

 この問題は、2022年12月25日早朝、長崎空港において同社所属の確認主任者(整備士)が、整備規程に定める運航前整備作業開始前の法定アルコール検査を実施しないまま不正に合格として、整備に係る業務を実施した旨、同社から国交省に対し令和5年1月12日に報告があったものとなります。

 当局は同社からの報告後ただちに事実関係の調査を指示し、再報告を求めたところ、 当該確認主任者が、運航前整備作業開始前の法定アルコール検査を実施しないまま不正に合格とし、配下の整備士及びアルコール検査立会者にそのことを追認(検査記録をねつ造)させ、酒気帯び状態でSKY140便の整備に係る業務を実施していたこと、 当該確認主任者が、配下の整備士からの報告内容について、タイヤ圧力の計測など一部の項目について十分な確認をしないまま不適切な整備記録の作成を行うなど、事実と異なる整備内容によって整備の確認を行ったことがわかりました。

 これらの行為は、航空法に基づき認可を受けた同社の整備規程及び業務規程に違反するものとなります。

 また、この問題が公になりスカイマークは以下の声明を発表しています。

安全を使命とする航空運送事業者として安全最優先を掲げているにも関わらず、安全管理システムが機能していなかったこと、飲酒に係る事案を再発させたこと、整備部門において法令等遵守の意識が欠けていたこと等により正しい判断ができないまま本事案の対応を結論づけたことにより、このような事態を招き、お客様、ご関係の皆様に多大なご迷惑をおかけしましたことを深くお詫びいたします。

 当社は今回の行政指導を重く受け止め、全社を挙げて安全体制の再構築と再発防止に向けた取組みを徹底してまいります。

Photo : Skymark

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