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国交省、交通政策白書を公開 航空分野を抜粋

国土交通省は、交通政策白書を公開しました。

この文書は、交通政策基本法第14条第1項の規定に基づく2022年度の交通の動向及び講じた施策並びに同条第2項の規定に基づく2023年度において講じようとする交通施策について報告を行うものとなります。

今回は、航空分野を抜粋して紹介させて頂きます。資料元:国土交通省

◆首都圏空港(東京国際空港(羽田空港)及び成田国際空港)の航空ネットワーク◆
首都圏空港は、訪日外国人の増加、産業・都市の競争力強化及び日本全国の地域活性化を図るため、機能向上が図られてきている。首都圏空港において、2021年度は、国内線旅客数の33%、国内航空貨物取扱量の40%を占めており、国内航空輸送ネットワークの中核となっているとともに、我が国を発着する国際線旅客数の88%、国際航空貨物取扱量の75%を占めており、我が国最大の国際ゲートウェイとして役割を果たすなど、日本の経済活動に不可欠な社会基盤として機能している。

発着回数について、2021年は、新型コロナウイルス感染症の影響により、首都圏空港は41万回となっており、アジア諸国の主要空港のうち、香港(16万回)、ソウル(30万回)より多いが、北京(51万回)、上港(58万回)より少ない。
国際線就航都市数(2022年夏ダイヤ期首)についても、全世界的に引き続き低迷しているところ、首都圏空港は62都市となっており、アジア諸国の主要空港のうち、香港(56都市)、北京(12都市)、上海(31都市)より多いが、ソウル(68都市)、シンガポール(96都市)より少ない。

国際航空旅客数について、首都圏空港はアジア諸国の主要空港と比較すると、3位(2021年)である。国際航空貨物取扱量について、2021年は、全世界的に取扱量が増加した中で、成田国際空港において過去最多の取扱量を記録し、世界で前年の7位から5位となった。

航空ネットワークの拡大
◆航空自由化の戦略的推進による我が国の国際航空網の拡充◆
国際航空網の拡充を図るため、我が国では航空自由化(オープンスカイ)を推進している。首都圏空港の厳しい容量制約を背景に、東京国際空港(羽田空港)を自由化の対象外とするなど一部制約が残るが、我が国を発着する国際旅客便数は、成田空港における二国間輸送を自由化の対象に追加した2010年時点(2,649便/週)とくらべて、2019年時点(5,516便/週)で2倍強に増加した。
その後、新型コロナウイルス感染症の影響により、国際旅客便数は一時激減したが、水際措置が大幅に見直された2022年10月以降、徐々に回復の傾向にある(2022年10月末時点:1,920便/週)。

◆LCC◆
LCC(Low Cost Carrier)とは、低コストかつ高頻度の運航を行うことで低運賃の航空サービスを提供する航空会社のことである。LCCは、伸び悩みが予測される国内航空市場において、これまでに顕在化してこなかった旅客需要を開拓するとともに、アジア地域を中心とする海外からの訪日外国人旅行客を新たに取り込むこと等により、我が国の航空市場の成長に大きく貢献することが期待されている。

これらを踏まえて、LCCの新規参入促進を図るべく、航空自由化の推進やLCC用旅客ターミナルの整備等の環境整備が進められ、2012年から2019年までの間に我が国における国内線LCC旅客数は6.3倍の1,092万人、国際線LCC旅客数は8.8倍の2,572万人に増加しており、特に国際線において航空旅客数の増加を牽引してきた。2020年及び2021年は新型コロナウイルス感染症の影響を受け利用者数は大幅に減少し、2021年の国内線LCC旅客数は590万人、国際線LCC旅客数は12万人となった。

また、我が国には以前より外国LCCが多数乗り入れているが、本邦LCCは、2012年から事業を開始しており、2022年冬ダイヤ当初計画時点では、4社により、国内線51路線、国際線20路線が運航されている。

◆我が国の空港の更なる機能強化・機能拡充◆
首都圏空港(東京国際空港(羽田空港)・成田国際空港)については、訪日外国人旅行者の受入拡大、我が国の国際競争力の強化等の観点から、両空港で年間発着容量を約100万回とするための機能強化に取り組む。

東京国際空港(羽田空港)については、2020年3月から新飛行経路の運用を開始しているところであり、引き続き、騒音対策・落下物対策や地域への丁寧な情報提供を行うなど、新飛行経路の着実な運用に向けた取組を進める。また、空港アクセス鉄道の基盤施設整備、国内線・国際線の乗り継ぎ利便性向上のための人工地盤の整備、旧整備場地区の再編整備等を実施する。

成田国際空港については、地域との共生・共栄の考え方のもと、C滑走路新設等の年間発着容量を50万回に拡大する取組を進める。関西国際空港については、運営権者において、民間の創意工夫を生かした機能強化が図られており、引き続き、国際線キャパシティーを向上させるため第1ターミナルにおける国際線・国内線エリアの配置の見直しによる施設配置の再編等を含む第1ターミナル改修等の機能強化を推進し、関西3空港における年間発着容量50万回の実現を目指す。

中部国際空港については、第1ターミナル改修事業等を引き続き行うとともに、完全24時間運用の実現などの機能強化を推進する。福岡空港においては、滑走路処理能力の向上を図るため、引き続き2024年度の供用開始に向けて滑走路増設事業を推進するとともに、北九州空港においては、国際貨物輸送の拠点機能向上を図るため、2023年度より滑走路延長事業を推進する。

また、空港の利便性向上を図るため、那覇空港においては国際線ターミナル地域再編事業、新千歳空港においては誘導路複線化等を引き続き推進する。

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