日本航空とエー・スター・クォンタムは、本邦航空業界初となる量子コンピューティング技術などによる最適化計算を活用した運航整備計画の最適化アプリケーションの開発に着手することで合意しました。
航空機の運航整備計画は、機材の使用状況、整備士の数、整備項目の期限、格納庫の収容数、整備実施空港、整備器材数など、膨大な制約条件を加味して策定する必要があります。現在は、長年の経験を持つベテラン社員が莫大な労力を費やして策定しており、また、運航ダイヤの急な変更に合わせての計画最適化は容易ではなく、従来のコンピュータでは制約条件に適合した計画を短時間で作成することは現実的ではありませんでした。
JALとエー・スター・クォンタムは、この問題を解決するため、2021年1月より、エー・スター・クォンタムが持つ量子コンピューティング技術や数理最適化を応用した実証実験を、制約条件を増やしながら段階的に進めており、実用化のめどが付いたことから、今回の開発決定に至っています。
このアプリケーションにより、ベテラン社員のノウハウを継承しながら、最適な計画を自動的かつ短時間に策定することが可能となり、計画を最適化することにより、品質向上などの新たな価値創造に繋げるとしています。Photo : JAL