スキポール空港の発着枠削減計画を推進するオランダ政府に対して、アメリカ運輸省(DOT)が対抗措置を取ると警告したことがわかりました。
この発着枠削減計画は、オランダ政府が、騒音や環境などを考慮した気候政策案『グリーンキャップ』としてスキポール空港の発着枠を年間50万回から46万回に制限する方向で調整を進めているものとなり、これまでKLMオランダ航空は、次世代航空機やSAFの導入などにより発着枠の削減を行わずして、騒音やCO2の排出量の問題は解決できるとして、この政策を撤回するよう求めて裁判が行われていますが、今年7月の高等裁判所の判決は、政府の計画を支持するものとなりました。
このようなことから、先週オランダ政府は、計画通り2024年から発着枠を削減する予定であることを明らかにしましたが、このような動きに対しDOTは、一方的な決定は、オランダが加盟している欧州連合とアメリカ間のオープンスカイ協定に違反すると警告し、仮に政策が実行された場合、アメリカ便の発着枠を削減する可能性があると警告したと現地紙は報じています。
現在スキポール空港に就航する多くのエアラインがこの計画に反対していますが、政府そして空港側は環境・騒音問題の解決策としてこの計画以外選択肢が無いとの立場を示しており、既にエアライン側は控訴していることから、今後の最高裁での判決が注目となります。Photo : Schipol Airport