成田空港は、今後機能強化を目的とし、新滑走路(C滑走路)の建設工事とB滑走路の延伸工事を行いますが、現在の状況を確認します。
この工事においては、成田空港の年間発着容量を50万回に拡大することを目的としており、それを達成するためにB滑走路を2,500mから3,500mへの延伸、3,500mのC滑走路の建設、計7,471mの誘導路の新設、空港敷地を1,198haから2,297haに拡張することが計画され、2029年3月31日までに完成させる予定で、現在は、埋蔵文化財調査、地質調査及び測量調査、環境保全措置、用地取得に向けた現地調査を行っている状況です。
B滑走路においては、北側に1,000m延伸し3,500m、幅員60mの滑走路を整備し、滑走路の東西に騒音軽減のための防音堤を設けます。また新たな進入灯は、県道・市道・調整池と交差することから一部橋梁形式で整備します。
B滑走路の工事においては、東関東自動車道のトンネル化や成田市道の廃止及び補償道路工事の整備が必要となり、交通が分断されないよう、B滑走路延伸部に補償道路の整備を進めます。これまでのところ、本格造成⼯事前の準備⼯事として、B滑⾛路延伸部は2022年10⽉19⽇より東関東⾃動⾞道(東関道)の切り回し道路⼯事に着⼿しています。
C滑走路においては、3,500m、幅員45mの滑走路、計6,200m、幅員23mの誘導路を整備し、滑走路の縦断勾配は、現況の地形を活かし、標高20m~33mで整備します。
C滑走路の拡張工事においては、多古・芝山町道等の廃止及び付替が必要となり、交通が分断されないよう、付替・補償道路の整備を進めます。C滑⾛路新設部は2023年内に⾼⾕川等排⽔整備⼯事に着⼿予定とし、その後本格工事となる、付替、補償道路工事・空港造成工事に着手する予定です。
また容量拡大や施設老朽化に伴う新ターミナル建設も検討している状況となっており、現時点では集約型ターミナル(ワンターミナル)を建設する方向で調整しているとみられ、このほか、新貨物地区を整備する計画となっています。
現在羽田空港の発着スロットはほぼ満杯状態であることから、今後拡大が見込まれる首都圏の航空需要は成田空港が受け入れることになることから、将来需要を見越した整備が必要となります。Photo : NAA
【注目】成田空港、新ターミナルの候補地およびターミナル内のイメージを公開 新ターミナルは第2ターミナル南側への建設が最有力