国土交通省は2026年4月、「国内航空のあり方に関する有識者会議」の第5回会合を開催し、今後の航空政策の指針となる骨子案を提示しました。
2024年度の国内線事業収支が実質的に赤字に転落したという厳しい現状認識に基づき、これまでの自由化・競争路線を原則としつつも、路線特性に応じた協調や弾力的な運航形態を容認する大きな転換を図ろうとしています。今回の骨子案で特に注目されるのは、需要に応じた柔軟な供給管理の徹底です。地方都市間を結ぶ路線などにおいて、通年での一律運航ではなく、曜日運航や期間減便の積極的な活用を検討することが明記されました。
この背景には、オンライン会議の普及等に伴うビジネス需要の減退があります。週を通じて需要が安定しない路線においては、需要の多い曜日や時期に集中的に供給を投入することで、機材や運航の効率を最大化し、路線の維持を目指します。また、こうした地方路線の利用を促進するため、変則的な就航情報であっても「Google Flights」などの海外プラットフォームへ適切に表示されるよう、国が航空会社とGoogle社との協議を支援する取り組みも進められています。
構造改革のもう一つの柱が、航空会社間のリソース共有です。グループの枠を超えた運航業務の管理の受委託(ウェットリース等)の活用に向けた検討が盛り込まれました。これにより、ある航空会社が自社の路線を他社の機材と乗員に委託して運航することが可能になります。さらに、特定既存航空会社への出資規制のあり方を見直して経営の選択肢を広げる一方で、大手による過度な寡占を防ぐために発着枠の回収・再配分のあり方の再検討などを通じた競争環境のモニタリングを継続する方針も示されました。
厳しい収支状況にある国内線を支える策として、2026年度からは国際観光旅客税の使途が国内線にも拡充されます。搭乗手続きの自動化機器の導入によるグラハン業務の効率化や、ターミナルビルの機能強化などを支援し、インバウンド旅客を地方路線へ積極的に誘導する計画です。

また、地方・離島路線の主力となっているATR機などのリージョナル機における就航率の改善も急務とされています。フランスのメーカーサポートが24時間体制でないことによる不具合対応の遅れに対し、国はリモート整備の導入に向けた法令の整理や、安全性に関わらない不具合についての整備規程の柔軟な運用などを検討し、欠航を未然に防ぐ方針を打ち出しました。
今回の有識者会議の骨子案は、日本の国内航空網が単なる各社の利便性を競う段階から、ネットワークの維持へ向けた協調の段階へ移行したことを明確に示しています。例えば曜日運航の拡大は、利用者にとって特定の日にしか搭乗できないという不便さを伴う側面もありますが、路線そのものを失わないための現実的な選択と言えます。今後は、こうした効率化や協業の施策が、地域社会の足としての役割や、健全な競争環境といかに両立していくかが大きな焦点となります。Photo : 国土交通省
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