オーストラリアのSimon Birmingham/サイモン・バーミンガム財務大臣は、政府は2022年末までは国境を再開しないとの見通しを明らかにしました。
同大臣は、ワクチンが普及したにもかかわらず、世界的な流行やインドのような新たな変異株により世界はかつてないほどの不確実性に直面しているとし、ワクチンの展開速度だけでなく変異株に対する有効性の程度、その有効期間などの不確実性が存在することを考慮すると、来年の初めに簡単に国境が開かれることはないだろうと述べ、2022年末まで国境の再開は難しいとの見解を明らかにしました。
オーストラリアは、新型コロナウイルスの国内での感染拡大を食い止めたことから、現在国内旅行などは賑わいを取り戻しており、エアラインも国内線の増便を行うなどしています。このようなことから、政府は国境再開を急がない方針とみられています。
またScott Morrison/スコット・モリソン首相は、ワクチン接種者の海外渡航の実現に意欲的ですが、帰国時の隔離を免除する事に各州の賛同は得られないとし、実現には時間がかかるとの考えを明らかにしています。このようなことから、先日開始されたニュージーランドとのトラベルバブルのような限定的な国際線の再開を目指すものとみられますが、同国は非常に厳しい感染対策を行っていることから、今後もトラベルバブルが成立する国はかなり限定的になると予想されます。
アメリカ・ヨーロッパ各国を筆頭に、ワクチンの展開により海外旅行が徐々に回復する兆しが見えていますが、これまで新型コロナウイルスの流入を防いだ国々は、国境の再開のタイミングが難しく、国際交流が遅れることが考えられます。参考記事:News.com.au Photo : Sydney Airport