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キャセイパシフィック航空が180名のパイロットを再雇用へ 香港の壮絶なコロナ規制により離職者が増加

 キャセイパシフィック航空は、解雇した地元の180名のパイロットを2月中に再雇用する方針であることがわかりました。

 地元紙によると、この180名に加え今後1年で数百人の再雇用を継続的に行うほか、パイロットの養成も行いパイロットの雇用を強化する方針であることをキャセイパシフィック航空が明らかにしたと報じています。

 この動きは、現在同社において外国人パイロットを中心に離職者が増加していることが原因とみられ、ゼロコロナを目指す香港政府の検疫が影響している模様です。

 香港政府は、中国のゼロコロナ政策と連動する形の検疫をとっており、他国がパイロットに対して隔離期間の短縮など特別措置をとるなか、例外を設けず、国際線のフライト毎に3週間の隔離生活を行うことを義務付けています。

 この隔離期間においては、毎日の検査が義務付けられるほか、陽性または濃厚接触者となった場合は、監視員が配置された隔離施設に移送され、部屋から一歩も出ることができない状態の生活を過ごします。また、ステイ先のアメリカ・欧州などの高リスク国の場合、現地でもホテルから外出することが許されておらず、パイロットはほぼ自由の時間がなく、生活の大半を孤独に隔離しながら生活する事を強いられるような環境となっています。

 このような環境下にあることから、今後も離職者は増えるとみられていることからキャセイパシフィック航空は採用を強化します。なお中国はオリンピックを目前に控えていることから、今後も規制が続くとみられていますが、オリンピック終了後に中国政府が規制を緩和し、それに連動して香港政府も緩和するのか注目されています。Photo : Cathay Pacific

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