筆者おすすめ記事 航空ニュース

アメリカもロシア機に対して飛行禁止措置へ 仮に日本も追従した場合日本側の方が痛手に

 アメリカ政府は、ロシアに対する経済制裁の一環としてEU、カナダに続きにロシア機の領空の飛行を禁止する措置を講じる方針であるとロイター通信が報じました。

 既にデルタ航空、アメリカン航空、ユナイテッド航空、UPSはロシア上空の飛行を回避しており、今後正式にアメリカ運輸省から発表があると見込まれます。

 これまでアメリカ政府は、貨物など物流に影響が及ぶことから、この飛行制限に否定的な立場を示していましたが方針転換をするとみられ、今後欧米と足並みを揃える日本も追従するのか注目されます。

 以前の記事でも言及しましたが、仮に日本がこの措置を実行した場合、大きな痛手を被るのは日本の方となり、ロシア側は数少ない日本路線を運航できないだけで済みますが、日本側はヨーロッパ全便を迂回せざるを得なくなり、冷戦時に逆も戻りするような形となってしまいます。

 これは物流にも大きな影響を与えることになり、既に日用品の高騰などが伝えられていますが、航空便が迂回することによるコストの増大により、その高騰に拍車をかけることが予想され、日本企業の経済活動にも影響が及び、日本側の方が大きな痛手を被ることになります。

 また、長年の交渉で日本側はロシア上空の通過権を拡大してきましたが、これが報復措置で取り消された場合、仮に戦争が終結に向かったとしても、ロシア側を交渉のテーブルに戻すことのハードルが非常に高くなる恐れがあります。
欧米においては、相互の運航便数などから対等な交渉が可能ですが、日本側はあまりにもこの分野においては、不利になることから、今後の日本政府の判断に注目が集まります。

 現在は、ANA・JALともにロシア上空を飛行できていますが、既に欧州各社の日本路線に影響が出ているように、今後全てのANAとJALのヨーロッパ線に影響が出る恐れがあり、コロナからの回復期におても日本が欧州線においては取り残される可能性もあります。Photo:SFO Airport

アンカレッジ空港、ウクライナ危機で複数の航空会社から問い合わせ ロシアの報復で今後日本~欧州路線が冷戦時代に逆戻りも

【速報】EU、ロシア機のEU圏内の飛行禁止を決定 ヨーロッパからロシアを締め出し

飛行禁止のカナダ上空をロシアのアエロフロート機が領空侵犯