エミレーツ航空のTim Clark社長は、将来的にA380型機の2倍サイズの航空機の必要性を主張しています。
海外紙のAirline Ratingのインタビューに応じたTim Clark社長は、A380型機、B747-8型機がなくなり、B777-9型機が不安定、そしてA350シリーズが残るこの状況において、我々は2030年代半ばを見据える必要があるとし、今後予想される年間80億人の利用者をどのように受け入れるのか考える必要があるとしています。
仮にこの問題に対して準備が遅れた場合は、航空運賃は高騰し、現在のような安い航空運賃で旅行ができる時代も終わりを告げることになるとしています。
そしてこの問題を解決するには、2030年代半ばに、合成燃料を受け入れ、それを扱うことができるような技術的に高度な航空機を開発することが必要になるとし、合成燃料を使った環境にやさしい動力を手に入れたとしたら、エミレーツ航空のような中・長距離輸送を担うエアラインとしては、需要に応えるために必要な航空機のサイズはどうなるのかと考えるとゼロ・エミッション・エンジンによる、3発機あるいは4発機のA380型機の2倍サイズの航空機が必要になると主張しています。
世界が小型機の多頻度運航にシフトする中、エミレーツ航空社長は大型機の必要性を訴えており、御年73歳となる同社長の航空業界に対する警告は、恐らく同社長が退任している約10年後に多くの関係者がどのように振り返ることになるのか気掛かりなものとなります。なお同社長は、当初2020年6月に退任する予定でしたが、新型コロナウイルスの影響を受け任期を延長してコロナ禍での指揮をとっている状況で、2023年3月までは任期を全うすることを明らかにしています。Photo : Arab news