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エアバスが開発を進めるA321XLRが安全対策の追加で航続距離が短縮する可能性が浮上 一部顧客にA330neoなどの代替機を提案か

 エアバスが開発を進めるA321XLRが、安全対策の追加で航続距離が短縮する可能性が浮していることがわかりました。

 これはReutersが関係筋の情報として報じているもので、追加の安全対策により機体重量が増大し、航続距離が8,700kmから400km程減少する可能性あることから、一部顧客にはA330neoなどの代替機の提案を進める可能性があるとしています。

 ナローボディ機世界最長の航続距離を誇ることになるA321XLRは、航続距離を延ばすために、主脚後部に位置するRCT(リアセンサータンク)の容量を増大させることでその航続距離を実現しますが、現行機では貨物室となる部分である客室部の直下に大量の燃料を搭載することになることから、耐火や乗客の安全性の確保が課題となっています。

 これに対し各国規制当局は、RCTに耐火性を持たせることを求めており、この問題に対処するため、新たに燃料タンクに特別な保護ライナーを追加し、他の補強も必要となっており、この構造変更より機体重量は当初の予定よりも約700~800kg増加する可能性があるとみられます。

 A321XLRは、従来機よりも30%の燃費向上を実現し、航続距離はナロボディー機の世界最長航続距離となり、今まで大型機では採算ラインに乗らなかったような都市間の新路線開設などが期待され、市場のゲームチェンジャーとして期待される機種となることから、順調に開発が進むのか注目です。Photo : Airbus

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