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アシアナ航空理事会、大韓航空との統合に向けて貨物事業の売却を決定 EU当局の審査通過に弾み

 現地時間2023年11月2日、アシアナ航空の理事会は、大韓航空との統合に向けて貨物事業を売却することを決定しました。

 大韓航空は、アシアナ航空の買収に際し、EU当局の審査通過に向けて対策を練っており、以前同局が統合に際し、EU~韓国間の貨物輸送サービスにおける競争低下の可能性を指摘したことから、これを対処するためにアシアナ航空の貨物事業をエアプレミア・ティーウェイ航空・イースター航空・エアインチョンのいずれかに売却することで、審査通過を目指しています。(その後ティーウェイ航空は見送り)

 これに際し、アシアナ航空の理事会で貨物事業の売却を承認する必要が生じましたが、10月30日に開かれた理事会においては売却の可否が決まらず一旦閉会し、本日開催された理事会にて貨物事業の売却を決定しました。

 これによりEU当局の審査通解に大きく前進したと考えられており、年末までに審査結果が出る見込みとなっています。なおEU当局が求めていた是正措置の提出期限は、先月末となっていましたが、大韓航空側の要請により延長が認められたとみられます。

 また既報の通り旅客事業においては、ティーウェイ航空に対して機材を譲渡しパイロットを派遣して欧州4路線を移管させる予定とみられており、EU当局が指摘した旅客・貨物の両事業の問題点に対して対策を講じました。

 今後EU当局の審査を通過した場合、残る各国の航空当局における審査義務国は、日本とアメリカの二カ国となり、今後どのような条件が課されるのかも注目となります。なお今後の承認等が順調に進めば、早ければ2024年末頃に全ての手続きが完了するとみられています。Photo : Asiana Airlines

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