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ボーイングに新たな内部告発者「787と777において計1,400機が問題を抱えて飛行している。部品ズレが生じるとジャンプして無理やり固定していた」

 品質管理問題が指摘されているボーイングにおいて、新たな内部告発者が現われました。

 この内部告発者は、2007年からボーイングのエンジニアとして勤務していたSam Salehpour 氏となり、B787とB777において接合部分の測定がずさんなものであったと指摘し、早期疲労損傷と構造的破損の危険にさらされていると主張しています。

 具体的には、接合部の隙間を測定する前に、対象箇所において人力での隙間埋めを行うことを会社側は認めていたとし、一部では従業員がジャンプして力を加えて修正を行うこともあったとしています。

 このようなことから、通常隙間を埋めるためのシムと呼ばれる特別な充填材が一部の航空機には挿入されていないことから、時間が経つにつれて、埋められない隙間が過度の摩耗を引き起こし、潜在的に「壊滅的な故障」を引き起こす可能性があると懸念を示し、その問題を抱えるのは約1,000機の787と約400機の777であるとしています。

 この告発に対しボーイングは、同氏の主張を強く否定し、主張は「不正確」であり、787型機と777型機の安全性と耐久性に自信を持っていると述べ、安全上の懸念は全くなく、航空機は数十年にわたって耐用年数を維持するだろうと述べています。

 なお同氏は上院公聴会で講演を行う予定となっており、今後さらに国がボーイングを監視する力が強まることも考えられます。Photo : Boeing

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