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ブリティッシュエアウェイズのB787の駐機時の機体損傷の事故原因が判明 【ヒューマンエラー】

 現地時間2021年6月18日に発生した、ブリテッシュエアウェイズのB787型機の機体の前輪が駐機中に損傷したトラブルの原因が、イギリスの事故調査委員会の調査により判明しました。

 この事故は、機齢8年のB787-8型機(G-ZBJB)が、貨物便として運航する直前の荷積み時に前輪が崩壊し、胴体も損傷したものですが、調査により以下の事が判明しています。

 同機は、貨物搭載と同時に整備においてメンテナンスメッセージを解決するための作業を行っており、この作業においては、機体に油圧を加えた状態でランディングギアのレバーを操作する必要がありました。

 そしてランディングの作動を防ぐためにノーズギアとメインランディングギアのダウンロックにピンを挿入する必要がありましたが、この作業においてノーズギアにおいては、隣接する違う箇所へピンが挿入されていたことから、レバーを操作した際にノーズギアが収納され、機体が損傷したことが明らかになっています。


Photo : AAIB

 これは単純な整備士のヒューマンエラーが原因で、当初予想されていた、前脚の疲労などは全く関係がないものでした。

 なお2018年にも同様のトラブルがB787で発生したことから、2020年1月に誤挿入を防ぐ改修作業が義務付けられていましたが、発効後36ヵ月以内が改修期限であったことから、同機においては改修作業は実施されていませんでした。

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