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エアバスはカタール航空と決別を希望 A321neoの受領を求めるカタール航空に対して『B737MAXはA321neoの同等かそれ以上の航続距離がありますよ』

 先日ロンドンで行われたエアバスとカタール航空の訴訟の審問において、エアバス側はカタール航空との決別を希望している模様です。

 この問題は、A350型機の塗装劣化問題により、カタール航空がA350型機の受領を拒否したことから、これを契約の不履行とみなしてエアバスがカタール航空が発注していた50機のA321neoの契約を破棄したものとなります。現在裁判所は、訴訟が終わるまでこの契約は維持するよう指示しています。

 現在審問においては、カタール航空側がA321neoの契約破棄の無効を求めていることから、まずはA321neoの契約について集中的に議論が交わされています。

 エアバス側の弁護士は、エアバスとカタール航空の関係は破綻しており、両者を無理やり引き合わせるのは間違っていると述べ、カタール航空はA350の安全性を非難するとともに、EASA(欧州航空安全局)の審査体制をも批判しているようなものであるとし、仮にA321neoの契約破棄を無効とした場合、エアバスに10年近く侮辱の脅しの下で航空機を生産させるという、異常な差し止め命令となるだろうと主張しています。

 またエアバスのライバル機であり、カタール航空がA321neoの契約が破棄された場合に備え導入予定のB737MAXについて言及し、カタール航空はA321neoの性能を有する機材の代替を探すのは難しいと主張していますが、B737MAXはA321neoの同等かそれ以上の航続距離があり、十分に代替可能な機種であり、カタール航空がA321neoにこだわる必要がないと一蹴しています。

 ここまでカタール航空がA321neoにこだわるのには理由があり、同社はA321neoの導入に備え、座席や化粧室のリノベーションなどの3億3千万米ドル設備投資の契約を既に行っていることから、仮に契約が破棄された場合、多額の損失を被ることから、これを避けたいと考えているとみられています。

 なお今月26日にはA321neoの契約についての判決が出る見込みとなっており、注目が集まります。Photo : Airbus

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