FSC 機材 航空ニュース

IATA(国際航空運送協会)のトップがエアバスにカタール航空との争いで市場力を乱用しないよう警告

 IATA(国際航空運送協会)Willie Walsh 局長は、激化しているエアバスとカタール航空の争いにおいて、エアバスに対して市場力を乱用しないよう警告しました。

 この争いは、カタール航空が保有するA350型機において塗装の下地が早期劣化し、カタール航空側は耐空性の安全が保証できないとの立場で、エアバス側は耐空性に問題はないとして対立しているものとなり、今後法廷で争うことが決まっています。

 そしてここ最近では、カタール航空側は世間に正当性を主張するために問題があった実機を公開し、エアバス側はカタール航空から発注を受けている50機のA321の契約を一方的に破棄するなどし、カタール航空を顧客として見なしていないような措置を取るなどし対立が激化しています。

 今回IATAの局長が警告したのは、エアバスが契約を破棄した事となり以下のようにコメントしています。
『サプライヤーの1社が現在の市場力を利用しているとは思いたくないし、それは我々が非常に注意深く見ていることだ』と述べ、今回のエアバスの措置は憂慮すべき事態と表現しエアバスに警告しました。

 今回の発言は、事実上エアバスとボーイングが独占している旅客機市場で今後カタール航空がボーイング機しか選択できないことを憂慮しての発言と考えられますが、同局長は元IAGのCEOでカタール航空の出資を受けていた関係にあることから、カタール航空の肩をもったと考えることもできます。

 泥沼化したエアバスとカタール航空の関係ですが、判決と共に両社の今後の関係にも注目が集まります。Photo : IATA

カタール航空、A350型機の塗装問題を巡りエアバスに対して約720億円の損害賠償を請求 今後1,000億円越えも

エアバスの法的措置の表明を受けカタール航空CEOが応戦『エアバスは利益の事しか考えていない。二度と取引しない』

【注目】エアバス『もう容認できない』カタール航空が主張する塗装問題に対して法的措置を実施へ

EASA(欧州航空安全局)、カタール航空当局の見解とは異なりA350の運航停止は不要と判断