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スイスポートジャパン、時間外労働スト告知の労働組合と11月末までに合意を目指す方針

 スイスポートジャパンは、2023年11月15日に労働組合より時間外労働・休日労働に関する協定(36協定)の破棄に関する事前通知を受領したことを明らかにし、現況を説明しています。

 新型コロナウイルスによる水際対策緩和以降、インバウンド需要の急激な回復に伴う航空需要の高まりに対してグランドハンドリング業界全体が人手不足の傾向にあるなか、現場従業員の業務量が増加しており、36協定特別条項の超過を含む長時間労働が定常的に発生する状態となっているとしています。

 このようなことから、当該長時間労働解消に向けて、労組との継続的な協議を重ねながら、具体的な対応策として新規受注の一部停止や、離職防止に向けた取り組み、新規採用の大幅な拡大、教育体制の拡充など各種施策を実行してきたものの、36協定特別条項を超える長時間労働を完全に解消するには至らず、今般、労組より11月30日付での36協定破棄に関する事前通知を受領したとしています。

 同社によれば、現在も労組とは協議を継続しており、合意点を模索するべく、長時間労働の解消に向けた更なる施策を早急に検討・提示する方針とし、36協定の不在期間を生じさせないように11月末迄の労組との合意を鋭意目指すとしています。

 そしてすべての従業員の健康と安全は当社の最優先事項であり、引き続き、問題解決に向けた方策を実施するとともに、誠意をもって労組との協議を重ねるとし、協議の進展により今後新たな合意事項や決定事項があれば、改めて公表するとしています。

 なお同社は、国内で6つの国際空港にてグランドハンドリングを行っており、万が一合意できない場合、今後混乱をもたらす事態になることが危惧されています。Photo : Swissport

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