キャセイパシフィック航空は、機長不足に対処するために機長昇格条件を緩和したことがわかりました。
現在同社は、新型コロナウイルスの影響を受けた人材流出を受け大幅に人員が不足し、特に機長が不足してそれに伴う欠航便が発生している状況ですが、同社はこれに対処するために機長昇格条件を緩和したことがわかりました。
この緩和策は、昨年11月から適用されており、これまで副操縦士が機長昇格訓練に移行する条件は、総フライト時間が4000時間と500フライトでしたが、これを3000時間500フライトに変更して、飛行時間を25%削減し、事実上の緩和を行った模様です。
同社の説明としては、主に短距離路線を担当するパイロットと長距離路線を担当するパイロットは、経験値の積み方が異なり、以前の制度では、同様の期間に勤務を行っても、長距離路線担当のパイロットに比べ短距離路線担当のパイロットは、2年以上機長昇格に遅れる制度であったことから、これを見直し、あくまでも短距離路線を担当するパイロットにオプションを与えるような制度で作ったとしています。
例としては、短距離便のパイロットは225時間飛行するだけで約75回の離着陸経験を積むことができるのに対し、長距離便のパイロットは同じ回数の離着陸経験を積むのに900時間近く飛行する必要があるとしています。
現在日本をはじめとして世界的に経験豊富な機長が不足している状況となっており、今後はさらに航空需要は増えていくと予想されていることから、航空業界にとっても解決すべき課題となっています。Photo : Cathay Pacific