カタール航空は、エアバスが一方的に取り消したA321型機の契約についても、今後法廷で争う計画であることがわかりました。
A350型機の塗装劣化問題をめぐり、今後法廷で争うカタール航空とエアバスですが、先日エアバスが一方的にカタール航空が発注していた50機のA321型機の発注を取り消したことについて、カタール航空は不服として、この契約についても法廷で争う構えであるとBloombergが報じています。
カタール航空側の弁護士は、裁判所にキャンセルの差止命令を求め、エアバスの対応は法的に無効であるとの見解を示し、カタール航空は4年前から順番待ちの状態であるとしています。
これに対しエアバスは、問題が無いA350型機の受領を拒否することは、契約上の不履行に該当することから、今回の対応は権利を行使したまでとの立場を示しています。
既にカタール航空は、代替機としてB737MAXを50機導入する覚書をボーイングと締結しましたが、今回裁判所にキャンセルの差止めを求めていることからA321を導入する意欲はあるものと考えられます。このようなことから、裁判結果によっては、ボーイングとの契約が破棄される可能性もあり、今後の動向が注目となります。
なお現在開催されているシンガポール航空ショーにおいてエアバスのGuillaume Faury CEOは、『平和的な解決を諦めていない』と発言しましたが、この言葉の真意は定かではありません。Photo : Airbus