中国南方航空は、2022年内にA380型機を全機退役させる方針であることがわかりました。
これは情報筋からの情報として中国メディアが一斉に報道したもので、あらゆるコストが高いことを理由に退役を進め、2022年内には全機を退役させることが決まったとしています。
Photo : Airbus
現在同社は、計5機のA380を保有していますが、稼働しているのは3機のみとなっており、北米・ヨーロッパ・オーストラリア路線で運用を行っています。
昨年4月、同社の上級役員のGuoxiang Wu氏は『A380のような当社最大の航空機は、この大きすぎる機体の問題をどのように解決するかについて、現在も検討中です。当社だけでなく、多くのエアラインにとって、A380は路線に対して大きすぎるのではないかということを考えなければなりません。運用コストが非常に高く、国際線の将来的な需要についても、今後数年間の回復の兆しはまだ見えていません。ですから、機材構成、特にワイドボディ機について考える必要があります』とコメントしており、最終的に早期退役という決定がなされたものとみられます。
エアバスは、当初中国市場での大型受注を狙いA380を開発しましたが、実際には中国南方航空からの5機の受注だけに留まり、そしてその中国南方航空も早期退役させるという結末となり、開発当初エアバスが描いていたものとは違う状況となり、改めて新型機開発の難しさが浮き彫りとなっています。Photo : Airbus