マレーシア航空グループのAhmad Luqman Mohd Azmi COOは、退役を決めたA380について語り、同型機の導入は間違いではなかったとの見解を示しました。
これはIBS Software Virtual Airshow 2022で同氏が発言したもので、以下のような見解を述べています。
『A380への投資を行ったとき、それは正しい判断でした。なぜなら、そのとき私たちはスロット問題を解決しようとしていたからです。世界には制約のある空港がたくさんあり、私たちは、望んでいたスロットが得られなかったため、その問題を解決するためにA380の航空機が必要だったのです。
当時は正しい決断でしたが、燃料費の高騰により、現在はそうではありません。私たちの場合、A380は何百機もあるうちのわずか6機です。A380は私たちが本当に保有すべき主力機ではないのです。
A380の退役は、A380の運用におけるコストを考慮した上での決断でした。500席を埋めようとすると、A330のような2つのエンジンを持つワイドボディ機の方がはるかに簡単です。私たちは、キャパシティだけでなく、頻度も重要だと考えており、現在ではスロットに関する懸念はあまりありません。』と述べています。
同社は、スロット制限のあるロンドン・パリ・香港線へ同型機を投入したものの、実際には想定を下回る集客であったとみられ、これら空港から同型機の運航便数を減らした後は、巡礼のチャーターフライト、成田・仁川線に投入するなど試行錯誤しましたが、どれも大きな成果をあげられなかったとみられます。
同社は保有する6機全てを売りに出していることが公表されていますが、現実として買い手が現れるのは難しい状況とみられており、結果からみれば同型機の導入は失敗であったと思っているのが内心かもしれません。Photo : Airbus