アメリカ運輸安全委員会(NTSB)は、航空機メーカーに対し滑走路上のニアミスを防ぐ安全システムの構築を要請したことがわかりました。
これは2023年1月にニューヨーク/JFK空港にて発生したアメリカン航空196便とデルタ航空1943便のニアミスにおける事故報告書で言及されたものとなり、NTSBは航空機メーカーに対して、滑走路上のニアミスを防ぐための新しい高度なコックピット安全システムの開発を要請しました。
このトラブルにおいては、離陸滑走中のデルタ航空機の前方において、アメリカン航空機が誤って滑走路を横断し、デルタ航空機が離陸を中止したものとなります。
同空港では、誤進入を防ぐためにシステムが作動し、トラブル時には滑走路上に他の航空機がいることを示す赤いランプが点灯しましたが、アメリカン航空機が視認できる限界の場所を超えてから作動したことから、この安全システムが機能しなかったことが確認されており、現状では最終的にパイロットの視認が最後の事故を防ぐ手段となっています。
このようなことから、NTSBは新安全システムの開発を求めており、今後高度な安全システム実現することが期待されます。近年、航空需要の拡大に伴う空港の受け入れ容量拡大などにより、世界的に主要空港の過密化が進んでおり、安全性の維持が課題となっています。Photo : 国交省