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イタリア政府、ITAエアウェイズの民営化の手続きを開始する事を閣議決定 ルフトハンザとの独占交渉は避ける

 現地時間2022年2月11日、イタリア政府は国営のITAエアウェイズの民営化手続きを開始することを閣議決定したことを発表しました。

 同国のDaniele Franco経済担当大臣は、ITAエアウェイズの民営化に向けた手続きを開始することを明らかにし、買収に興味を持つ企業があるとしながらも、企業名などそれ以上は言及しませんでした。

 先日ITAは、ルフトハンザグループとスイスを拠点とする海運大手のMSCグループから共同で株式の半数を取得するEOI(関心表明)を受けたことを正式発表し、ルフトハンザグループは90日間の独占交渉権を求めていました。

 当初イタリア政府は、この取引に前向きであり、この権利を認める可能性が高くルフトハンザグループへの売却が一気に進むとの見方もされていましたが、今回イタリア政府は、全ての潜在的な交渉者が入札可能になるようにし、購入に関心のある企業がデータルームにアクセスできるようにしています。

 これは幅広い企業から提案を受けてることが狙いとみられており、今後ルフトハンザ&MSCグループ以外からの関心表明があるのか注目となります。

 なお先月デルタ航空は、株式の取得に否定的な立場を明らかにしていますが、同社が参入する可能性を指摘する報道があり、今後デルタ航空を含め、これまで名前が出たエールフランスKLMグループなどの出方にも注目が集まります。
Photo :Palazzo Chigi

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