新型コロナウイルスの影響により、一時今後の存亡が危ぶまれたA380型機ですが、現在順調に運航便数が回復に向かっており、2023年2月はコロナ前の2019年2月と比較して約60%まで回復したことがOAGのデータから明らかになっています。
現時点で8社が同型機の運航を行っていますが、世界で一番多くA380を保有するエミレーツ航空は、保有する121機のうち87機を稼働させており、現在コロナ以前と比較して約85%にまで回復しています。なお同社は年内に全機を稼働させる計画としており、今後も回復が続きます。
またエミレーツ航空に加え、ルフトハンザドイツ航空とエティハド航空が同型機の運航再開を決めたことや、タイ国際航空が運航再開を検討、2019年に運航便数、保有機数が限られていたANAが運航便数を拡大する方針であることから、コロナ以前の水準に回復することは難しいとしても、ある程度の水準まで回復することが予想されます。
一時は存続までが危ぶまれたA380ですが、世界がコロナから脱却したことで、最悪期に予想された水準よりもA380の活躍する機数は増え、その大きさを武器にスロット制限があるロンドン~ドバイ線などでは必要不可欠な存在として今後も活躍することが期待されます。
【2023年2月のA380のエアライン別の提供座席数ランキング】
1位 エミレーツ航空 約1,940,000席
2位 ブリティッシュエアウェイズ 約200,000席
3位 シンガポール航空 約187,000席
4位 カタール航空 約168,000席
5位 カンタス航空 約78,000席
6位 大韓航空 約68,000席
7位 アシアナ航空 約55,000席
8位 ANA 約21,000席 Photo : Airbus