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カタール航空の名物CEOが退任し新体制がスタート 前CEOの発言を振り返り新CEOの経歴を紹介

 歯に衣着せぬ言動で有名なカタール航空の名物CEOのAkbar Al Baker(61)氏が、2023年11月5日付で退任し、新体制がスタートしました。

 同氏は、27年にわたりカタール航空CEOの職務を果たし、現在の世界有数のブランド力を誇るカタール航空を築きあげた人物となります。また歯に衣着せぬ言動で常に注目を集め、どんな相手にも臆することなく表立って批判し、賛否両論はあるものの、航空業界でも指折りの影響力のある人物でもありました。


Photo : Qatar Airways

 今回は同氏の退任を惜しみつつ、ここ数年の発言を振り返りたいと思います。

2019年10月 ワンワールドの脱退を検討していることを明らかにし「アメリカン航空とカンタス航空は協力精神がみられない」と批判

2020年6月 コロナ禍でエアバスとボーイングから受領を迫られ「ボーイングとエアバスは我々を顧客として失う可能性がある」と警告

2020年9月 コロナ禍で機材の受領延期でエアバスと合意したもののボーイングと交渉がまとまらず「再び私たちに会うことは無い」と突き放す

2021年4月 出資するIAGグループのブリティッシュエアウェイズのAlex Cruz前CEO体制について「ブリティッシュエアウェイズはLCCに成り下がった」と批判

2021年4月 コロナ禍でのA380についてコメントし「乗客は環境に配慮してA380を避けるようになる。同機に未来は無い」と同型機を批判

2021年5月 コロナ禍でのA380についてコメントし「我々が犯した最大のミスはA380を購入した事」と後悔

2021年5月 発注が相次ぐA321XLRについてコメントし「ナローボディ機に長時間乗客を乗せたくない」とコメントし導入しない方針を明らかに

2021年12月 A350型機の塗装問題におけるエアバスの法的措置を受け「エアバスは利益の事しか考えていない。二度と取引しない」と激怒

2022年05月 ロシアとウクライナの紛争に起因する原油価格の高騰を受け「航空業界にオイルショック以来の不況が到来する可能性がある」と予測

2023年3月 A380型機の退役計画を明らかにし「利用者とエアラインのボスの見解は違う」と発言

2023年9月 増便申請を却下したオーストラリア政府に対し「不公平」と不満を述べる

上記のように多くの注目されるような発言を繰り返し、航空業界では存在感が強く影響力のある人物でした。

 そして新CEOに就任したのは、カタール航空グループのハマド国際空港の最高執行責任者を務めていたBadr Mohammed Al Meer 氏となります。

 同氏はコロナ禍において、27億米ドル規模の空港拡張プロジェクトを成功させたほか、歴史的なFIFAワールドカップ2022など、多くの大きなマイルストーンや前例のない課題を乗り越えてハマド国際空港を率いた功績が認められて今回新CEOに抜擢されています。

 今後航空業界を率いるエアラインの新CEOとしてどのようなリーダーシップを発揮していくのか注目となります。

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